ブックオフのジャンクコーナーで見つけたPS2。値札には「ディスク読み込めませんでした」の一言。それでも2980円(の20%引き)という価格につられて、つい持ち帰ってしまいました。

今回は、このジャンクPS2を修理した体験談を紹介します。結論から言うと、CD側の読み込みは復活しませんでしたが、DVD側は問題なく動作するようになりました。その調整作業の途中で気づいた電源まわりの不具合も直し、最後は全体を分解清掃するところまでやってみた記録です。
同じようにジャンクPS2の修理に挑戦している方の参考になればうれしいです。
ジャンクPS2の症状は「まったく読み込まない」だった
今回入手したのは、SONY PS2の薄型モデル「SCPH-70000」です。電源は入りメイン画面も表示されるものの、PS2ソフトを入れてもDVDを入れてもCDを入れても、うんともすんとも言わない状態でした。
ディスクを認識する気配すらなかったもの、先輩方の記事や動画を見るとピックアップの調整で直るっぽいので「なんとかなるか」でスタート。読み込み不良の原因として真っ先に疑ったのは、ピックアップ(レーザーでディスクを読み取る部品)の汚れや劣化です。
まずはドライブ部分を開けてみることにしました。ネジカバーを外してプラスネジを緩めれば簡単に開きます。

ピックアップのレーザー調整に挑戦

レンズを無水エタノールで清掃
まずは基本のレンズクリーニングです。綿棒に無水エタノールを少量含ませて、レンズの表面をやさしく拭き取りました。無水エタノールは水分をほとんど含まないため、電子部品を濡らしても乾きが早く、レンズ拭きの定番アイテムです。その他なんでもかんでも無水エタノールを使ってます笑
結果:X……これで直ればラッキーでしたが、そんな甘くはない。

送りねじ(ボールねじ)の清掃とグリスアップ
ピックアップはレールに沿って前後に動きますが、その動力を伝えているのが細いねじ状のパーツ、送りねじ(ボールねじ)です。ここにも古いグリスやホコリが溜まっていたので、綿棒で拭き取って清掃しました。綿棒は100均のを愛用しています。
清掃後は、タミヤのセラミックグリスを薄く塗布しました。もともとはラジコンやプラモデル用のグリスですが、耐熱性や潤滑性の高さから、こうした精密機器のメンテナンスに流用されることもあります。ピックアップの動きがスムーズになれば、読み込み精度の改善も期待できます。ミニ四駆にはまってた時も使ってました。歴史がありますねぇ・・・
結果:X……ただ、明らかにピックアップの動作音は小さくなりました。

半固定抵抗をテスターで測りながら調整
ピックアップの基板には、レーザーの出力を調整するための半固定抵抗(小さなつまみ状の可変抵抗)が並んでいます。ここを適当に回すと最悪の場合レーザーが壊れてしまうこともあるため、テスターで抵抗値を確認しながら、少しずつプラスドライバーで回して調整しました。
この2つのボルトを外すとピックアップ部分をひっくり返せます。

抵抗値を見ながら、少しずつ、めちゃ少しずつ微調整を繰り返しました。回す角度は1度とか2度です。見た目では1ミリ動かすかどうか。CD側はピンク、DVD側は青の部分の抵抗値を見ながらです。念のため調整ネジに初期位置のマーキングをいれています。

| 場所 | 初期 | 調整後 |
| CD側 | 283Ω | 40Ωまで下げたがNG |
| DVD側 | 730Ω | 515Ω |
調整の結果:DVDは復活、PS2ソフトは復活せず
レンズ清掃 → 送りねじのグリスアップ → 半固定抵抗の調整、と一通り試した結果、DVD側は無事に読み込んで再生できるようになりました。最初はディスクをまったく認識しなかったことを考えると、これはうれしい進歩です。
一方で、CD側の読み込みは残念ながら復活しませんでした。DVD側とCD側では読み取りに必要なレーザーの波長や出力が異なります。今回のピックアップは、DVD用のレーザーはかろうじて生きているものの、CDに使うレーザー側が寿命を迎えている可能性が高そうです。半固定抵抗の調整だけでは補いきれない、ピックアップ自体の経年劣化と考えられます。
とはいえ、何も読み込めなかった状態から「PS2ソフト(銀)やDVDビデオだけは見られる」状態まで回復できたのはまずまずな成果です。一応使える状態にはなったので、ピックアップ交換までは踏み込まず、いったんこれで良しとしました。ピックアップ単体でもまだ売ってはいますが、今回買ったPS2よりも高いからです笑
ピックアップ調整中に気づいた電源の不安定さ
実は、このピックアップを調整している最中に、もう一つ気になる症状に気づいていました。電源プラグの差し込み角度によって、電源のON・OFFが不安定になるという症状です。
プラグを少し動かすだけで電源が入ったり切れたりするので、これは接触不良か配線の問題だろうと予想していました。DVDが使えることは確認できたので、次はこの電源の不具合を直すことにしました。
基板を見たらはんだにクラックが入っていた
基板をよく観察してみると、電源部分のはんだ付け箇所に細かいクラック(ひび割れ)が入っているのを見つけました。
はんだクラックは、経年劣化や熱による膨張・収縮の繰り返しで起こりやすい症状です。見た目では気づきにくい小さなひびでも、電気的な接触が不安定になり、今回のような「プラグの角度で電源が入ったり切れたりする」といった症状につながります。
写真はすでにはんだを盛り直してますが、明らかにクラックが入っていて触るとグラグラな状態でした。

はんだをやり直して電源が安定するようになった
原因がわかったので、クラックが入っていた箇所のはんだを盛り直しました。

古いはんだを一度溶かして除去し、新しいはんだで付け直すという、基本的な修正作業です。特別な部品交換は必要なく、はんだごて一本で対応できました。ただ、場所が狭いので気合と繊細さが必要です。
修正後に電源プラグを何度も抜き差ししたり動かしてテストしましたが、以前のような不安定な挙動は見られなくなりました。電源はしっかり安定して入るようになり、当初の不具合はきれいに解消しました。
狭い箇所を作業する為、ちょっとパワーのあるはんだごてとこて先を買いました。めちゃくちゃ作業性が向上しました。特に先端が曲がってるこて先がいいです。
さらに全部バラバラにして中性洗剤とブラシで清掃した
DVDの読み込みと電源、どちらも改善できたところで、せっかく開けたのだからと全部バラバラに分解してキレイにすることにしました。

パーツごとに中性洗剤とブラシを使って清掃しました。基板部分は水洗いせず、乾いたブラシとエアダスターで丁寧にホコリを払う程度にとどめています。プラスチック外装やドライブのカバーなど、水に強い部分だけ台所用の中性洗剤で洗い、エアダスターで水分を飛ばした上しっかり乾燥させてから組み直しました。
分解ついでの清掃は、見た目がきれいになるだけでなく、接触不良やホコリ由来の不具合を減らす効果も期待できます。
まとめ:完全復活ではなくても直せる部分は多い
今回のジャンクPS2修理まとめです。
・最初は読み込み不良でディスクをまったく認識しなかった
・ピックアップのレンズを無水エタノールで清掃、送りねじにタミヤセラミックグリスを塗布
・半固定抵抗をテスターで抵抗値を測りながら調整 ・調整の結果、DVD側の読み込みは復活し一応使える状態になった
・ピックアップ調整中に、電源プラグの角度でON・OFFが不安定な症状に気づいた
・基板の電源部のはんだにクラックを発見し、はんだをやり直した
・電源が安定して入るようになったので、さらに全部分解して中性洗剤とブラシで清掃した
残念ながら完全復活には至りませんでしたが、とりあえず「CAPCON VS SNK」 は出来るようになりました笑 ほんとはPS2にしかない桃鉄USAがやりたかったので、違うジャンクからの移植か、新品ピックアップへの交換も検討しようと思います。
もしお手元にジャンクPS2や読み込み不良の機器があれば、諦める前にピックアップまわりのメンテナンスとはんだ付け箇所のチェックをしてみてはいかがでしょうか。


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