「寒い冬、EV頼みの綱のシートヒーターが数分で消えてしまう…」そんな絶望を味わっていませんか?BMW i3オーナーの間では有名らしいこのトラブル。ディーラーに持ち込むと「シート丸ごと交換で数十万円です」なんて恐ろしい見積もりが出てくることも珍しくありません。
でも、諦めるのはまだ早いです!実はこれ、シート内部の温度を測る「サーミスタ」という小さな部品の線が断線しているのが原因であることがほとんどのようです。今回は、私が実際に行った「サーミスタバイパス作戦」による格安DIY修理の全工程を公開します。電気の知識が少しあれば、いや、無くてもお手軽修理でポカポカのシートが復活しますよ。ぜひ最後まで読んでいってください!。
シートヒーターON後、数分で勝手にOFFになる
ある日、シートヒーターが勝手にOFFしてるのに気づきました。最初は「ONしてなかったっけ?」と思い、ボタンを押しても反応がありません。ONできないのです。
特にエラー表示も出ないので、何が起こってるのかすらわかりませんでしたが、とにかく運転席側のシートヒーターだけON出来なくなりました。助手席はON出来るのでシートヒーター制御の問題ではなさそうです。
翌日に使うとONは出来ました。しかし数分経つとまた勝手にOFFになってしまう。
でもとりあえずの対策は発見しました。強制OFFになってしまう前に手動でOFFすれば、強制カウントダウンをリセット出来ます。
しかし、こうなるとひたすら手動でON-OFFを繰り返してヒータON状態をキープすることになります。しかも一回ミスって強制終了されてしまうと、ドアしめて一定時間待つことによるリセットを行わないと再度ヒータONすることが出来ません・・・(泣)
※後述するBimmer Linkがあればアプリからリセットできます。

だましだまし乗っていたが・・・
寒い日にi3に乗るたびに「またか・・・」と思って、何度もスイッチを押し直していました。
でも、これがきつい。ちょっと気を許すと強制終了してしまうし、スイッチが入っている時間も一定ではないので2分程度でON-OFFを繰り返すことに・・・。寒い日にこの状態になると精神的にキます。せっかくの快適装備が使えないのは、宝の持ち腐れですし、とにかくめんどくさい。
それに加え、これは脇見運転みたいなもので危ない為、暖房を使ってましたが、そうするとこの年式のi3は電費が・・・温度設定にもよりますが2-3割ダウンします。
症状からすると原因はサーミスタ
色々調べた結果、原因は「サーミスタ」の断線ではないかと推測しました。
サーミスタとは、「温度によって電気の流れやすさが変わる抵抗」のこと。これを使ってi3はシートの温度を測っています。i3の場合、座面の中でこの細い線が乗り降りの負荷でプツンと切れてしまうようです。ヒーターの網目状の線(熱線)が生きていても、この「温度センサーの線」が切れるだけで、システム全体がストップしてしまうというわけです。
今回は、この切れた温度検知の仕組みへサーミスタを外付けで割り込ませる(バイパスする)ことで誤魔化すことが出来るのではないか?、と作戦を考えました。

Bimmer Link上でも断線のエラーが出ています。

シートを外す
修理のために、まずはシートを車から外します。
「シートを外すなんて大仕事!」と思うかもしれませんが、実はボルト4本で止まっているだけ。、T50のトルクスがあれば簡単に外せます。


ボルトがかなりきつく締まっているので、ブレーカーバーを使うのがおすすめです。ラチェットで緩めようとすると最悪壊れます。
シートを外すとちょうどいい感じでリアシートへもたれさせる事が出来ます。ちなみにシート自体を横のレバーで上に上げておくことで作業性が上がります。


注意点は「エアバッグのコネクタ」です(黄色のでかいカプラ内にある)。これを外す前に、本当は12Vバッテリーのマイナス端子を抜いて10分ほど放置したほうがいいようです。そうしないと、後でエアバッグ警告灯が点灯してしまい、ディーラーでリセットしてもらう羽目になります。
※私はBimmer Linkがあるのでいきなりカプラを抜きました・・・


外さなくても作業はできますが、外したほうが作業性いいですし、車両側と遮断できるので外すのがおすすめです。

テスターをあてる
シートを外したら、裏側の配線コネクタにテスターを当てて導通チェックを行います。

ここで確認するのは、サーミスタにつながる2本の線です(No.1とNo.3)。正常なら一定の抵抗値(数kΩ〜数十kΩ)が出るはずですが、断線していると数値が「無限大(導通なし)」になります。案の定、私のi3も数値はピクリとも動きませんでした。これで「やっぱりサーミスタ断線だ」と原因が確定しました。(すいません、テスターの画像なし・・・・)

ヒーターが断線してなくてよかったです。こちらは誤魔化すことは出来ず、ヒーターの断線箇所を探して再接合するか、シートを交換するしかありません。
サーミスタを元の配線にかませる
原因がわかれば、あとは新しいサーミスタを取り付けるだけです。
今回はネットで購入した「10kΩのNTCサーミスタ」を使いました。これをシート内部の断線した線の代わりとして、コネクタ手前の配線に割り込ませます。


シートを仮止めして、底部から該当カプラーを引っ張り出す。

皮膜を少しめくって、黒と緑/紫を思い切ってぶった切り、サーミスタと結合!

ギボシで端子化完了!念の為ハンダも盛っておきました。

シートの裏側からセンサーを入れ、座面のこの位置の温度を拾うようにしました。

「シートの奥の方へ入れなくていいの?」と思うかもしれませんが、だいたいの温度が拾えればOKなのでこの位置で問題ないはず。これで車側は「(断線しておらず)温度センサーからの反応あり」と認識してくれるようになるわけです。
直った!
配線を戻し、シートを車体に固定して・・・・・いざヒーターON!
数分経っても……消えない! ずっと温かい! やったぜ!!感動の瞬間です。
それから30分ほどテストしてみましたが、温度が若干高めではありますがバッチリ効いています。部品代はわずか1000円弱。「ディーラーでシート交換」という絶望感が、嘘のように晴れやかになりました。これで冬のi3ライフが、また快適なものに復活。
センサー位置の影響なのか、久々のシートヒータの感覚なのかわかりませんが、少し熱めに感じたので、Bimmer Codeを使って狙い温度を設定可能範囲の最低まで下げておきました。

他のあるある
BMW i3は特有の「あるある」トラブルが他にもいくつかありますよね。
- 12Vバッテリーの突然死: これが起きると車が一切動かなくなります。
- 給油口フラップのロック故障: 蓋が開かなくて給油できない(レンジエクステンダー車のみ)。

うちのi3は例に漏れずこの2つが該当しています。
給油口は室内からのボタン操作では全く開かないので、毎回ボンネットから手動で開けてます・・・
今回のシートヒーター修理もそうですが、i3は意外とDIYで解決できる修理や改造も意外と多いです。もし同じ症状で悩んでいる方がいたら、ぜひチャレンジしてみてください(もちろん自己責任ですが・・・・・・・)。
おまけ:OBD2アダプタとコーディング/解析アプリが便利
Bimmer CodeとBimmer Link、ちょっと値が張りますがこういう時に便利です。電源ON時の画面を変えれたりもします。私はこのOBD2アダプタを使っています。




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